感情労働とは、顧客に対して何らかの感情を一定に制御して接する必要のある労働のことを指します。
笑顔で接する接客しなければならない小売業界や飲食業界、ホテル業界などが代表的な例として挙げられます。
同様に、人の心身をケアして安心感を与えなければならない医療業界も当てはまります。

もちろん看護師の仕事も例外ではなく、患者とのコミュニケーションが主な仕事となるため、感情労働だと言えるでしょう。
大量の業務を抱えてどんなに疲れていたとしても、安心や信頼を患者に与えるために笑顔でやさしいコミュニケーションを心掛けなければなりません。

この感情労働は、自分の感情を抑えなければならないことからエネルギーの消耗が激しいものです。
自分の本来の感情との差に葛藤を感じたり、抑え込むことは大きなストレスになるからです。
また、燃え尽き症候群とも呼ばれるバーンアウトのリスクも高めてしまう可能性も無視できません。

バーンアウトとは、それまで頑張って仕事をしていた人が、とあるきっかけで仕事に対するやる気や興味を失ってしまう状態のこと。
相手を思いやる気持ちを失い、仕事への達成感が失われてしまい、休職したり離職したりといったケースもあります。

感情労働は負荷が大きい労働であるにも関わらず、単なるその人の性格や特技として捉えられ、仕事に対する評価として反映されないことが少なくありません。
頑張っているのに当たり前のこととして求められることで、人知れずストレスが溜まり、バーンアウトの危険性を高めてしまうのです。

責任感が強くしんどくても頑張ってしまう人ほどこの状態になりやすいため、日頃から自分と向き合う時間を設けるようにしましょう。
また、看護師のバーンアウトへの予防策をきちんと知ることも大事です。